特殊部隊で任務なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの特殊部隊で任務な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月30日の時点で一番の特殊部隊で任務なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.2 1 特殊部隊で任務なアニメランキング1位
虐殺器官(アニメ映画)

2017年2月3日
★★★★☆ 3.8 (254)
1861人が棚に入れました
世界の紛争地を飛び回る米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉に、謎のアメリカ人の追跡ミッションが下る。その男、「ジョン・ポール」は、紛争の予兆と共に現れ、その紛争が泥沼化するとともに忽然と姿を消してしまう。かつて有能な言語学者だった彼が、その地で何をしていたのか。アメリカ政府の追求をかわし、彼が企てていたこととは…?

声優・キャラクター
中村悠一、三上哲、石川界人、梶裕貴、小林沙苗、大塚明夫、櫻井孝宏
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ジェノサイドの正当化

または
虐殺をジャスティファ~イ

いつもながら原作は未読。本編もレビューも不穏なタイトルですね。文字通り不穏なやつです。
少し前に遇々『バビロン』という迷作に触れ、その作品談義で頻出してたタイトルがこれでした。

・34歳の若さで早逝した原作者伊藤計劃
・原作『虐殺器官』その評価の高さ
・ノイタミナムービーなるブランド

これまで知らなかったことを知ることができました。これだけでもお得感あるかしら。
早逝したこともあり数少ない輩出作品をアニメ化する試み「Project Itoh」三部作の締めを飾った作品。2017年2月公開のR15+指定。115分です。

あらすじ:サラエボで起きた各爆弾テロを機に世界各国でテロが激化。アメリカを筆頭にテロに対抗する中で先進国では沈静化の方向。後進国では内戦や虐殺が頻発。といったIFストーリー。
後進国で指導層に接触し対立を煽り、内戦や民族対立による虐殺などを引き起こす黒幕として暗躍すると見做されたとある人物を暗殺せよ!
その実行役である特殊部隊員クラヴィス・シェパード大尉が主役の物語です。


戦闘行為にまつわるグロ表現っぷりでR15+指定となってます。
詳細に触れると、タイトル“虐殺”から想像しそうなスプラッター的おどろおどろしさが主成分のグロではありません。あくまで銃撃戦で斃れる敵兵の描写がそれらしいだけ。想像と違ってライト風味かもよってことは指摘しておきます。程度や具合は18禁ではなくR15指定ということでお察しくだされ。
年齢制限が入るのはクリエイターがやりたい表現をできていることの裏返しな部分もあって、本作のミリタリ描写はアニメの中でも超一級の部類に入ると思われます。オペレーションの合理性や演出の迫力などモノが違う感じがします。
『劇場版PSYCHO-PASS』のミリタリ描写との既視感を覚えましたが、プロデューサーがご一緒ということで納得。ノイタミナで辣腕をふるった山本幸治さんです。それでノイタミナムービーということもあるのね。いろいろ繋がってきました。


 世界観 ◎ ※後述
 軍描写 ◎


軍事作戦がベースにあるお話なので根っこが変だと台無しになっちゃいますがその心配はありません。
あとは通しでの物語の面白みであったり、黒幕ジョン・ポールの目的が腑に落ちるものかだったり、やはりというか作品から受け取るメッセージへの共感の有無が気になります。


 物語 △と○の間


タイトル回収を済ませ、大国のエゴも匂わせる国家の繋がりや人間の持つ原罪のようなものへの言及。おそらくこうだろうと想像できる結末もアリといえばアリ。ただしいかんせんよくわからない。

 {netabare}雰囲気だけかっこいい?{/netabare}

劇場版なので視聴者に想像させる手法を否定しないけど軽い匂わせ止まり。肉を焼く匂いで白飯を食べるような感覚。もう少し踏み込んで欲しかったです。
ところがふとしたとこで原作のネタバレを聞き、

 物語・改 ○と◎の間

となりました。

※原作ネタバレ
{netabare}ジョン・ポールの遺志を継いだクラヴィス・シェパードがアメリカに戻り、“虐殺の文法”を駆使してアメリカを内戦に導いていく。{/netabare}

{netabare}小国の犠牲の上にある大国の繁栄について自問自答が描かれてたとのことです。南北問題ですね。{/netabare}


“人工筋肉”なるガジェットが途上国の子供たちによる搾取的な労働に支えられている、とフェアトレード運動に通底するネタが挟まれてましたが、そんなネタが最終的に繋がっていくところまで提示しないのはもったいなかったですね。
とは言っても雰囲気や見た目を馬鹿にするなかれ、です。映画を観てる時間だけその世界に浸れる幸せを実感できる劇場版作品でしょう。その点で買い!優秀な娯楽作品です。




※後述…の世界観◎について

■United Nations

“国際連合”とは意図的な誤訳です。“連合国”が正しくその国連憲章には日本を敵国と見做した条項が残存していることをご存知でしょうか。たかが条文、実態は違うとも言われますが、この敵国条項を除こうと日本が働きかけてもしっかりChinaは潰しにきてくれたりするのが現実です。
永らく“平和のための国際組織”と喧伝され教科書でもそう習ってきた私たちですが、非常に矛盾を孕んでいるのです。直近の事例だと国連の専門機関WHOの武漢肺炎をめぐるグダグダっぷりでしょうか。

 金だけ出して口は出さないでね

日本に求められてる役割がこれ。よって個人的にはあまりこの組織をよく思ってません。そんなとこへ作品の冒頭↓


{netabare}「寛容と多文化主義がこの国の美徳だったのに」と今は民族浄化に勤しむ途上国の指導者がベートーベンの『月光』をバックにシェパード大尉に独白します。
何故自国民に手をかけたのかわからない。黒幕ジョン・ポールの存在を匂わせる一幕です。その前段。

シェパード:
「その国民を殺して回る。あんたの言う政府とやらはどの国連加盟国からも承認されていない」
えらい人:
「国連?我々の文化を土足で踏みにじり、自決権を鼻で笑う最悪の帝国主義者どもが…」{/netabare}


主人公へのシンパシーはもちろんのこと小国の哀しみなんかをこの指導者に見ることができます。きちんと序盤から下地を作っているのです。



■1974年と1975年

原作者伊藤計劃氏とプロデューサー山本幸治氏の生年です。けっこう作品に影響しているような感じ。
だいたいにして小学生時代のバイブル。ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』が原題『A計劃』。これホント漢字なの?と伊藤少年の脳裏に焼き付いてたことは想像に難くありません。
多感な中高生時代で起こった世の中の出来事と暇な大学生時代に触れたであろう作品群。この年代特有の感覚が作品に反映されているとふんでます。

15歳前後で「ベルリンの壁崩壊」「ソ連崩壊」を経験。なんとなく大きなうねりが起こっていることを感じつつ、チャウシェスクの銃殺遺体のインパクトだけ覚えていた思春期。
中学の社会科では、“コルホーズ”“ソフホーズ”などを例にとり計画経済を好意的に捉えていた教科書で学んでました。なんせまだ崩壊前だったので。

その後の東欧民主化で泡を食ったのが欧州の火薬庫バルカン半島。ユーゴ紛争が停戦合意したのが彼らが社会に出る頃合い2000年頃でした。
思索に励むことが可能な大学生時代には小林よしのりの『戦争論』が大ヒット。United Nations(連合国)が構築したWWⅡ後の枠組みに疑義を呈した意欲作と言えましょう。

ドイツおよびチェコを舞台としたサスペンス作品『MONSTER』(浦沢直樹)
ユーゴ紛争で故郷を破壊した者への復讐の物語『PEACE MAKER』

90年代後半に発表された東欧を舞台にした名作群もきっと学生時代に目にしてるんでしょうね。
思えば「ソ連崩壊」とはもの凄く大きな出来事で共産主義の敗北に象徴される第二次世界大戦後の枠組みが崩れたことを意味してました。余波は覇権国アメリカにもおよび歪みの極地が“9.11”にと。

そういえば『MONSTER』のヨハンもニナも1975年生まれの設定です。
朝日・岩波的な言説がインテリの条件だった時代から潮目が変わったのはこのへんの年代からかしら。


国際紛争やミリタリ要素の強い作品を描く時にチェコやユーゴの東欧を舞台にしたくなる気持ちがわからんでもない世代。
お話にしやすい国際情勢の煽りを若かりし頃に浴びちゃったこともあるし、中東やジャングルでの紛争よりも身近に感じることのできるエリアでした。今は情勢も落ち着いてますので実際訪れてみるのをおすすめしますよ。異世界ものにありそうな古き良きヨーロッパの風景は中欧・東欧に残ってます。



視聴時期:2020年3月

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2020.12.09追記

5月が初稿の本レビュー。半年経過して“武漢肺炎”の呼称は聞かなくなりましたね。“新型コロナ”で定着した感があります。こうして振り返って気づくことはままあります。
定点観測することで変化に気づく。現在の断面だけ見て踊らされることのなんと多いことか…


2020.05.18 初稿
2020.12.09 追記

投稿 : 2024/12/28
♥ : 35

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「僕達」は「終末」である。それとも、「始まり」であろうか?

これは心に「覆い」が被さる前に、「無感覚」になる前に、「罪」を背負って「罰」を受けなければならない、「僕達」の物語だ。



『虐殺器官』と言う小説が出版された時の事は、今でもよく覚えています。
小松左京賞なんてど偉い賞の最終選考に、円城塔氏の『Self-Reference ENGINE』と共にノミネートされた本作『虐殺器官』
2006年は、約10年と言う歴史を紡ぎ終えた賞において、最上級の激論と最大級の衝撃が巻き起こった年だったといえるでしょう。
賞が作られてから初めての受賞者なし
小松左京賞を作った小松左京氏自身が、『虐殺器官』受賞を反対したと言う事実
しかし、反対された当の本人は時代を切り開いた、鮮烈な立役者でありました。
発売された当時、「傍観者」であった私も書店へ行って購入した事が記憶に新しいです。

そして、昨日、この映画を観て、ああ、また思い出してしまいましたよ。
ページを捲っていく中途に段々と生じていった、あの「緊張感」
他人の「業」を眺めていく内に、自らに薄汚い性悪説を見せ付けられていく、あの「嫌悪感」
そう、あの最後に至ってしまった時に生じた、ざわざわとした感情も…
「恐怖」と俗にカテゴライズされる物が、私の脳裏を一色に染め上げて行く感じ
原作もそうだが、この映画も同じくそう…
下手すると、この『虐殺器官』と言う作品は、べたなホラー映画よりも恐ろしい。
「共感性」も「罪悪感」も持たない、感情を操作された、相対するゾンビ共の紡ぐ、実に「人間らしい」物語です。
詳しくは他の方がかなり緻密に、詳しく説明されているので私は割愛するとしましょう。
また、「虐殺の経済学」について知っている人は、ジョン・ポールの目的にもやすやすと辿り着くと思いますので…
驚きたい人は無理に調べない事を推奨します。

さて、これから観る方達は、映画を見終わって自分達の家に帰るまでに、様々な「傍観者」を見る事でしょう。
スマホを見ながら、脇見せずに画面だけ見て歩く人
音楽を聴きながら、外界と隔絶した世界を自身の中に構築してる人
和気藹々と語り合う家族や友人同士、恋人同士などの群れる人
世の中には様々な人間がいます。
しかし、そんな彼らに違和感を感じたなら、あなたの鑑賞姿勢は大成功、充分に映画を理解したと言えるでしょう。
人々は「見たいものしか見ない」もの
あなたは「見たくない物」をきちんと見据えられていますか?
映画を観終わった後に「見た者」を見て、あなたが「違和感」を感じる事の出来る、「ほんとうのこと」を見咎められる、強い人間である事を祈っています。

今作は終わらないノイズが語る、「終わらない終末」「滅びのない滅び」
つまり、これは「僕達の終末」を描いた物語
そして、これは「僕達の始まり」を描く物語
決して終わる事のない、これから先も紡がれるであろう「終末の物語」です。
彼の言葉を阻む事は決して出来ない。
私達に出来るのは、彼の遺志を、他者に語り継いで伝える事だけ…
あなたは『城』の住人であり続けますか?
それとも「測量士」となって、周囲を見渡す覚悟を持ちますか?
「終末」を選ぶか、「始まり」を選ぶかはこの映画を観た私達にかかっていると言えるでしょう。
さあ、決断の時だ。

P.S.
もう既に原作『虐殺器官』をお読みになった方へ1つご忠告を…
この映画では、原作において恐らく最も印象深かったであろうシーン、「母親」とのシーンが丸ごとカットされています。
しかし、違和感は全くありません。
寧ろ、制作側も苦渋の決断だったようで、パンフレットを買うとそのカットした「意思」が大変よく分かる物でした。
気になる方は是非ともご購入を…

P.P.S.
http://www.news-postseven.com/archives/20120425_101144.html
本書が発売された当時は「夢物語」だと想っていた産物が、10年経った現在では「預言書」として扱われています。
どうか、この「預言書」が「預言」のままで…
「預言書」が「歴史書」に変貌を遂げない事を願います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 16
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

虐殺器官 レビュー

端的に言えば、アメリカの特殊部隊に所属するシェパードが、世界各地で虐殺を扇動するジョンという男を捕まえようとする話です。
{netabare}
シェパード達特殊部隊の隊員は、マスキングと呼ばれる、ナノマシンによる痛覚遮断技術、および感情調整における何事にも動じない兵士という、近未来的兵士を描いています。

このマスキング、感情調整という、フラットを生み出す設定が、心身の痛みに鈍感になった人間達を暗に示しており、鈍感な人間社会に住む一人のシェパードが、鈍感さを失っていく話になります。

私のように後追いで見た者の見方としては、「どれどれ、本当に何事にも動じない兵士なのかじっくり観察しようかな」なんて思うのですが、シェパードに関しては、ジョンの虐殺文法と呼ばれる手法に引っかかった敵や、ジョン本人に対しても、感情を揺り動かされ、ルツィアに関しては特別な思い入れまで入っていたように思えます。
まあですから、この作品は、特殊部隊が大事な仲間を失いながらも仕事を全うするようなアダルトなものではなく、社会に支配された(ここはジョンとシェパードの最初の会話、国家への隷属の部分)個人が、支配から逃れるまでに変化する物語だと思います。

シェパードとルツイアの関係は、最初こそ、情報軍のスパイと、チェコ語教師(ジョンの元恋人)という関係に過ぎませんでした。ところが、ルツイアがここで死ななくてもよかったとか、個人軽視の社会の個人感情を消した兵士(少年兵であろうが躊躇なく殺せる兵士)であるシェパードが個人の価値というものを見出しています。
どこで変化したか、ジョンとの会話の中でか、楽し気なルツイアとの会話の中か。(後者であるなら、調査対象に情が入るなんともお粗末なスパイなので、前者を押したいですね)もしも前者を押すなら、土壇場で言語学を専門とするジョンの巧みな会話による精神誘導に引っかかったともとれるので、やはり兵士としてはお粗末、なのですが、この作品のそもそもが兵士としての優秀さを描くものではないことは上の方で述べた通りです。
そのため感情に揺り動かされて無能な兵士であっても、兵士を感情のない兵器であるとするなら、そこからの脱却を描いたのが今作品だと思います。

ここで無感情の脱却という点で、いくつかのセリフとシーンが繋がります。
遠い場所で起きている虐殺で、アメリカに住んでいる人たちに届く話はほんの僅か。この意味と、ピザを食べながらテレビでラグビー(アメフト?)を見ているシェパードと、ウィリアムズのシーンは共通するものがあります。
世界のどこかで起きている虐殺、それを感情的に深入りしようとする人はほとんどいません。ニュースとして聞き流し、そんなことがあったのかと日常に戻る。感情的に起伏がない(フラット)のです。それが悪いかどうか、悪くはないでしょう。ただ、あまりにも世界の遠くで起きている虐殺に、痛みを感じなさすぎなのではないかと、そういうことを感じるのです。
一方でラグビーを見るシェパード達は、日常の中での痛みへの無感情を描いています。彼らが見ているラグビーの試合では毎回けが人が出ます。その怪我に対して驚くわけでも、悲しむわけでもない、フラットな感情なままです。ウイリアムズに至っては、バカなルールだと何気なく言う始末。同情ではなく、なんでこんなバカなスポーツやってるんだという、嘲笑(それを見ている彼らの鈍感さ)。
彼ら兵士にとって、ラグビーはどこか遠いようで近い、怪我をしてでも任務を遂行する所が似ているように感じてからの、仕事に対しての皮肉でしょうか。
しかし、2回目に映し出されたそのラグビー鑑賞シーンで、けが人が回復したときに、少しの安堵のようなものがその場に広がった時、彼らは鈍感な社会、鈍感な職業にいながらも、どこかで感情を持っているという、人間臭さを出しているのが伺えます。

さて、色々書きたいことはまだありますが、今回はこれで。
ありがとうございました。

【再視聴~雑多なシーンとテーマについて】
ストリーミング期間があるので、再視聴までそんなに期間を置かずに視聴しました。
まずは、ストーリーとはあまり関係のない、いくつかのシーンにおいて、気付いた事をメモ程度に示そうと思います
まず、赤髪の敵女兵士について。
印象的なシーンは、シェパードが路面電車に何気なく乗り込んで来ようとする赤髪の女を見て、ルツイアに「仲間か!?」と聞いた所。
なぜシェパードが赤髪の女を、敵兵士として認識できたか。
それは、赤髪の女の初登場シーンがその前にあるからです。ルツイアとチェコ語のレッスンを受ける契約をしたその日の帰り道、シェパードは何者かに付け狙われます。その時、シェパードの乗った地下鉄の電車に入ってくる怪しい者たちの中に、赤髪の女がいた。それをシェパードは記憶していたからです。

次に、序盤の仲間の死体置き去りと、ルツイアの死体置き去りの比較について。
まあ、これはシェパード自身が語っていますが、ルツイアの死体を置いてきてしまった、大切な人の死体は物に見えない。
つまり序盤で死んだ仲間の死体については、シェパードは物としてみていました。
その差異について何故発生したか、というのは、シェパードが特別な感情をルツイアに持ち、その感情を持つまでにシェパードが変化したから。
ここで差異の理由を述べるよりも、映像で見たときのシェパードの変化を見たほうが、ありありと彼の変化や感情を受け取れると思います。

民間軍事会社がなぜジョンを取り戻そうとしたか。
これは邪推に過ぎませんが、内戦が起きることによって軍需があり、軍需が発生し続ける限り、ジョンを生かすメリットがあったのではないでしょうか。


ここから、一つのテーマの話になります。世界の選択の責任
ここでいう選択は、世界の真実を知るべきか知らざるべきか。情報の隠蔽と選択。
知らなくてもいいことは知らず、安穏とした堕落した生活を守りたいと思う人、ジョンやウイリアムスがそれに当たります。(彼らにはそれを提供したい恋人や家族がいました)
世界で虐殺が起きている事を知らせるべきと思うのが、最終的なシェパードやルツイア。人々に今の生活がある理由を知らせ、その中で選択すべきという考え。
ルーシャスのセリフ、高度な自由であったり、人は見たいものしか見えない、人工筋肉の悲惨な生産現場など、便利や安全を得る自由を何気なく選択しているが、その自由を得るために使われている犠牲を人々は知るべきか知らざるべきか。

そういったテーマがある中で、ルツイアの願い「突然大切な人が奪われることがないような世界」をかなえるためにジョンが遠い世界の人間の命を天秤に掛けて選択します。結局、ルツイアはジョンの作り出そうとした願いの世界を否定するという、未だにジョンを好きだったはずのルツイアの選択、ジョンの間違いを描いた恋人の関係を描かれています。精神的依存がルツイアにあると視聴者に思わせていた状態から、実はジョンがルツイアの願いをかなえたいという、ジョンの依存精神を描いている、人物の精神的強弱の逆転、もしくは入れ変わりが面白かったですね。







メモ {netabare}
重要な言葉をいくつか挙げてみたいと思います。

虐殺、器官、言葉、痛み、マスキング、少年兵、サラエボ、フラット、ピザ、ラグビー、個人、国家、世界、心、感情調整、PTSD、遠い場所で起きている、伝わってくる話はごくわずか、潜在的意識、存在の消えた傭兵、人工筋肉、イルカ、クジラ、
二回目
民間軍事会社 情報の隠蔽 頭の中の地獄 仲間殺し 究極の兵士 ウィリアムズ 仲間意識 生得的文生成機能 赤い髪の女(電車) 指紋 網膜認証 俺は誰でもない 情報社会とのバランス(ルツイヤ)
自由の選択 プライバシーの自由と、テロの抑圧からの自由 指紋認証の銃 諜報機関 それほどの隷属(国家と兵士) ルーシャス ナノマシン 人は見たいものしかみえないようにできている 犯人は軍事会社 僕は知らない オルタナ(ナノマシン) 仕事と鈍感 心に覆いをする(ジョン) 中国製ヘリ マスキングされた敵兵士 計数されざる者たち 軍事企業がなぜジョンを助けるのか 内戦の勃発による軍需 自分が生まれた世界を守る 選んだ世界への責任 嘘っぱち 死体を置き去り(冒頭の置き去りとの比較)大切な人の死体はものに見えない 大切な誰かを突然失ったりしない世界 人の命の天秤  罪を背負う 
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 24

69.4 2 特殊部隊で任務なアニメランキング2位
人狼 JIN-ROH(アニメ映画)

2000年6月3日
★★★★☆ 3.8 (274)
1326人が棚に入れました
『人狼 JIN-ROH』(じんろう)はProduction I.G制作の日本のアニメ映画。押井守の代表作である「ケルベロス・サーガ」の一作。\n強引な経済政策によって失業者と凶悪犯罪が急増した首都・東京。政府は反政府勢力掌握の為、“首都警”と呼ばれる治安部隊を設置する。その首都警の一員である青年・伏一貴は、闘争本能のみで生きる一匹の“狼”の様に一切の感情を切り捨て、自分を律してきたが、一人の女性・雨宮圭と出会い、運命のように惹かれ合っていくが…。

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

これぞ隠れた名作

セクトと呼ばれる過激派集団が社会問題となっている時代、
治安維持のために首都警と呼ばれる武装組織が作られ、衝突を繰り返していた・・・

時代は架空設定ではありますが、世界大戦後の日本を描いています。
昭和の安保闘争をモデルにしてると思われるので、世代によっては難しいかも。
組織の対立の中で、二人の男女の切ない物語を描いた作品。

押井守脚本(監督は沖浦啓之)ということで難解な内容と思いきやそうでもありません。
世界観の細かい設定については、いくらか分かりにくい部分もありましたが
ストーリー自体は割とシンプルで非常に面白かったですね。
主人公と少女の心情が移り変わっていく様子は、とてもリアルで見事にメロドラマを演出しています。
全体的に暗い展開で、万人におすすめできるものではないかもしれませんが
それでも是非見て欲しい名作の一つで、ラストの切なさには心打たれました。

組織の対立における謀略戦もひとつの見所で
視聴者の予想を裏切る素晴らしい展開を見せてくれます。
とくに終盤からラストまでにかかる流れは「衝撃的」で素晴らしかった。
リアル絵のキャラデザで少々好みが分かれそうな気もしますが、作画自体は非常に綺麗。
良い意味で時代を感じる、もっと評価されてほしいアニメ映画ですね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 17

九条 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

人にも狼にもなれない国家の犬。

近代的国家の創出である国民国家の概念を狼の群れへの帰属意識へと還元し、その呪縛を抉る作品。
原作・脚本を担当する押井守の御家芸と呼ぶに値する諜報戦や公安活動をミリタリズムに敷衍しており
その緻密さは「パトレイバー」や「攻殻機動隊」といった、押井守自身の名作に勝るとも劣らない完成度。
戦後の殺伐とした薄暗い霧が漂う中、セクトと呼ばれる過激派集団と、それを弾圧する首都警の抗争を
古典童話「赤ずきん」になぞらえており、最終局面における主人公(伏)の慟哭によって収斂されている。

人にも狼にもなれない国家に忠誠を誓う犬であることに対し、自己矛盾や猜疑心に苛まれ一度は組織を
脱退せねばならないという衝動に駆られるが、伏は国家の束縛に対して牙を剥かず群れの意思に従う。
ナショナリズムの名目で手を汚してきた伏にとって、脱退することは孤独或いは死を意味するからであり
たとえ、自らの意思に相反する群れであったとしても、帰属していなくては生きていく術が見当たらない。

つまり、人と狼の境界線で苦悩する伏の心情を、単なる心的外傷後ストレス障害で処理するのではなく
組織への帰属意識から生じる葛藤も核に置かれており、政治的イデオロギーの対立や陰謀などが蠢く。
そういった意味では組織に従属する中での個人の確立や正義が説かれており、押井守の戦後歴史観を
垣間見ることが出来る。尚、本作と並び御世辞にも大衆向けと言える作品ではないが、押井守の個性を
赤裸々に表象している「立喰師列伝」を補完的に視聴しておくと、理解を深める上で恩恵を得るであろう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 11

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

汝は人狼なりや?

知ってたらオッサーンな名作。
この作品は新しいですが。。。
有名なのはカムイさんの漫画や実写映画。
赤い眼鏡、特に後のケルベロスはけっこうな宣伝してた。幼い記憶。
内容は千葉繁無双。

初代のロケがゴミの島のころの台場だったりとパトの前身ともいえる押井ケルベロスサーガのアニメ。スタッフも同じ。

とにかくかっこいい特機隊のアーマー。
そしてドイツが一部世界征服(日英VS独伊で負ける)したという時代設定。
キューベルに乗り込むその姿はどこかスチームパンクのカヲリ。燃える・・。

と、ここまで書いといてアレですが、アニメ版はどこか寓話的で、これといったアクションシーンもない。件のアーマーの出番も少ない。攻殻やパトみたいな派手なアクションは期待しないでください。

シリーズのかっこよさがまったくない、なんとも言いがたい押井ワールド。
しかし作品の残す余韻はかなりのもの。
実写映画に近く、アニメを見るというよりは映画、芝居を観るという。
オッサンアニメファン、映画ファンが観るべき作品。
好きな人は絶対好き。
合わない人は説教くさいと思うか、なにもなくてつまらないと思うだけ。
そういう意味では商業作品としては微妙。




投稿 : 2024/12/28
♥ : 10

75.8 3 特殊部隊で任務なアニメランキング3位
魔法科高校の劣等生 来訪者編(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (485)
2267人が棚に入れました
2095年10月31日。未観測の戦略級魔法によって、朝鮮半島南端の軍事都市と艦隊が消滅した。《灼熱のハロウィン》と呼ばれたこの日から、世界は新たな戦略級魔法師の登場に震撼することになる。中でも「世界最強の魔法部隊」であるスターズを擁する北アメリカ合衆国(USNA)は危機感を募らせ、秘密裏に未観測の戦略級魔法と、その魔法を使用した魔法師の正体を暴こうと躍起になっていた。それから約二ヶ月後の12月24日。街がクリスマスの飾りとイルミネーションで賑わっているなか、達也たちは交換留学でアメリカに行くという雫の送別会のために、アイネ・ブリーゼに集まっていた。雫がアメリカに行く期間は三ヶ月。雫によると、彼女に代わって第一高校に来るのは、同い歳の女の子だという。同い歳の女の子だという。同じ頃、USNAのスターズ基地では、一人の少女が第一高校への潜入調査に赴く準備を進めていた。彼女の名はアンジェリーナ・クドウ・シールズ。スターズ歴代最年少の総隊長にして、戦略級魔法ヘヴィ・メタル・バーストを操るUSNA最強の魔法師だった――。

声優・キャラクター
中村悠一、早見沙織、日笠陽子、内山夕実、寺島拓篤、佐藤聡美、田丸篤志、雨宮天、巽悠衣子、花澤香菜、井上麻里奈、諏訪部順一

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

USNA(北アメリカ大陸合衆国)スターズ総隊長はポンコツ金髪美少女…。

[総評]
魔法が技術としてある程度確立した世界観の中で、第三次世界大戦後の世界を描いたSFファンタジー作品。本作は2期目に相当します。

1期目のレビューにも書いた通り本作中の世界情勢はわりと殺伐としたもので、第一を含む各魔法科高校についても国の将来を担う士官学校的な空気感が若干感じられます。

そんな世界での「交換留学生」というのが只者であるはずもなく、アクション面に限らない本作原作の特徴が出ていると思います。

そんな原作3巻(上・中・下)に渡る来訪者編を、それなりに尺を取ってアニメしか観ていない層にも楽しめるように上手くアニメ化できていたという印象です。

第11話以降の構成には、来訪者編以降の展望を踏まえたものを感じるので具体的にアナウンスのあった『魔法科高校の優等生』アニメ化以外に、何か未発表の第3期制作スケジュールがあるのかもしれません。

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
電撃文庫から刊行されている人気ライトノベル『魔法科高校の劣等生』のアニメ化第2期目作品です。

原作の『魔法科高校の劣等生』は短編集を含む全33巻にて2020年9月に無事完結を迎えていますが、本作でアニメ化される<来訪者編>は以降のシリーズ終盤まで活躍するキャラクターや設定の結構な部分が軒並み明かされるエピソードなので、今後のアニメ化作品視聴の可能性や原作購入の判断の上でもぜひ観ておくと良いんじゃないかと思います。

アニメ作品中での時系列的には:

1. 魔法科高校の劣等生(1期目)
2. 魔法科高校の劣等生 来訪者編(2期目: 本作品)
3. 劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女

となっていて、1.でアニメ化が割愛された<追憶編>は3.で一部フォローされる感じになっております。3.に出てくるキャラのほとんどは1.もしくは本作品2.中でみんな出てくる感じです。

アニメとしては上記3.で初見だったリーナ(アンジェリーナ・クドウ・シールズ)がシリーズ中のエピソードで初登場となる作品となっています。

本作品を視聴するにあたって3.を観ている必要はまったくないはずですが、1.は観ておくかもしくは1.相当の原作部分を読んでおかないと話にはついていけなくなりそうな気がします。ということで、まだの方はひとまずここでさようなら。




本作では、前作で出てきた外国である大亜連合(大亜細亜連合: 中華人民共和国が母体)に続いて、第二の外国としてUSNA(北アメリカ大陸連合: アメリカ合衆国が母体)が登場します。

作中では第三次世界大戦終結後35年ほど経っていて日本と表立った戦争状態にある外国はありませんが、わりと一触即発的な殺伐とした国際情勢になっていて、主人公の司波達也(しば たつや)や妹の深雪(みゆき)をはじめとする魔法師はいずれの国でも実戦力として海外渡航制限を受けるような世相において、達也や深雪の同級生である北山雫(きたやま しずく)と交換留学という形でリーナがある任務を帯びて入国してくるという第1話でした。

来訪者編が原作で<上・中・下>の3巻構成だったので、1クールの放送であればこの3巻分のエピソードのみがきっちりアニメ化されることになると思います。

第2話以降も楽しみです。
== [第1話視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.11.19追記:
第7話まで視聴終了。主にリーナが出てくる場面で使用される呑気な曲調のBGMが、彼女のポンコツぶりに天才的にマッチしていてとても気に入っています。

さて、第6話で<来訪者編>では初お目見えしたピクシー(メイドロボ)ですが、こいつは1期目の<横浜騒乱編>で出てきていた奴ですね。当時何を考えて東山奈央をキャスティングしたのかは謎ですが、現在獲得している人気を考えると2014年当時のキャスティングとしては大当たりだったかもしれませんね。

2020.12.29追記:
第13話(最終話)まで視聴終了。

原作本来の意味での「来訪者編」は第11話Aパートまででした。

第11話Bパート以降は次の「ダブルセブン編」のエピソード、あるいはタワー関連の話はアニメオリジナル要素です。

ただ、第12、13話も原作者脚本回なのでオリジナルとはいえ、原作は無視したものにはなっておらず数字落ち(エクストラ)の説明は本編中での説明としては原作よりも詳しかったといえるかもしれません。

原作既読でしたが、面白く観ることができました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 32
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

魔法師の平穏を目指す達也の大計は続いていく……

【物語 4.0点】
第一高校へ交換留学生としてリーナがUSNA(北アメリカ大陸合衆国)より来日(勿論、真の目的あり)
街で多発する魔法師襲撃すなわち“吸血鬼事件”の解決と真相究明。
などがシナリオの軸だが、
根幹はやはり魔法師が兵器や道具として使い潰される
不遇の改善のため活動する主人公・司波達也らの奮闘。

能力を持たない人間たちに差別される犯人たちから魔法師を同族視される。
魔法師こそが進化した人類であると主張する過激派。
など魔法師が一般社会に溶け込んで穏やかに暮らすためのハードルの高さが、
精緻な21世紀末の社会描写により、改めて浮き彫りになる。

現状に対して達也はラストも{netabare}「分解」より「再成」(※人間には許されない位のスケールw){/netabare}
を誇示することで、再三再四、大志を示す。


科学により観測され、管理された魔法という基礎設定もいっそう洗練。
特にエネルギー保存の法則を超越する魔法の源が、
{netabare}異次元から供給されるとした余剰次元理論の仮説{/netabare}
には興奮しました♪

並の中二病設定では満足できない重症患者の私にとっては、
このシリーズはある意味、究極の中二病作品なのかもしれませんw


【作画 3.5点】
アニメーション制作・エイトビット

バトルシーン描写もエフェクト等のド派手な演出よりも、
管理された魔法のリアリティを探求した説明重視。
日常シーンでは作画カロリーはさらに低減される。

episode7での達也の活躍が象徴的。
伝家の宝刀“マテリアル・バースト”以外のスキルをフル活用した立ち回り。
この最強お兄様の本質は、「精霊の目(エレメンタル・サイト)」により、
捕捉した敵の能力を丸裸にする能力と、
得られた情報を対象の出自や政治・社会的背景も含めて、
分析、判断できるだけの知識にある。
地味ながら、さすがとしか言い様がない状況を、
サーモグラフィー風も交えたの透視映像で演出する等の渋い仕事で魅せる。


【キャラ 4.5点】
TVアニメでも本格的に登場となったリーナ。
劇場版『~星を呼ぶ少女』でも描かれていた
実はエリート軍人なのに、意外と抜けている部分はそのままに、
不可解な日本趣味なども掘り下げられる。
達也だけでなく、正ヒロイン・深雪との対決も色々な意味でヒートアップ。

彼女もまた軍人らしからぬ部分を無自覚に押し殺して任務に当たる無理を、
達也に指摘される形で作品テーマに合致する。


能力だけでなく、宿命や家を背負って
肉体&精神年齢いずれも高そうな高校生たち。
と思いきや秘められた意外な属性も発掘されたりする。
という他の魔法師キャラ設定も相変わらず。

21世紀末のSF設定ならではの萌えの探求もマニアック。
例えば、{netabare}光井ほのかの達也への想いなどが投影されたロボット(愛称・ピクシー)を通じて、
ダダ漏れになる乙女心{/netabare}とかw
いや……そんなパターンで赤面されても、20世紀生まれの私は反応に困りますってw


【声優 4.5点】
主人公・司波達也役の中村 悠一さん。
そもそも、人工的な精神改造により、
脳内に仮想魔法演算領域を組み込んだため、感情希薄になっている達也。
そんな中でも微かに滲み出た怒りや喜びといった機微が読み取れる好演が、
達也のキャラクター性を高める。

達也役として引き続きナレーションおよびナビゲート役も兼ねる中村さん。
世界情勢等への精通もまた、魔法師の幸福という達也の大願成就のため。
一本筋が通った部分も演技で捉えているから伝わって来ます。


妹・司波深雪役の早見 沙織さんも熟成。
お兄様の微かな感情の揺れ動きを捉える包容力を表現。
ここまで兄の気持ちを理解していても、
兄妹以上の関係になりたい気持ちを胸に秘めたままなので、
距離を詰め切れない、いじらしさとか。


そんな兄妹の感情が静かに火照る、
自動運転車内の二人の掛け合いが私は堪らなく好きなんだ。


正ヒロイン・深雪を再認識させられた末の、
スピンオフコミック『魔法科高校の優等生』のアニメ化決定♪さすがですw


【音楽 4.0点】
劇伴は岩崎 琢氏の続投。バトルシーンではオーケストラ風あり、テクノ風あり、
Lotus Juiceの参加曲ありの豊富なバリエーションでSF魔法戦を盛り上げる。

日常コメディパートでは「謎BGM」と称される老獪(ろうかい)なサウンドが炸裂w
リーナがポンコツを発揮するシーン等で多用されたレゲエ風に、
七草(さえぐさ)先輩による{netabare}暗黒のバレンタインチョコ{/netabare}のシーンではアフリカ民族音楽風と、
国籍に囚われないフリーダムな楽曲が宛がわれ混迷に拍車をかけるw


OPはASCA「Howling」
サビの“Wow wow”がライブで最高にブチ上がりそうな快作♪
が……今は大観衆を集めた公演は中々できない状況。
そこで敢えて咆哮する辺りに情熱を感じます。

EDは佐藤ミキさんの「名もなき花」
良作バラードをシットリと歌い上げる。
この落ち着いたボーカルは私が未知のベテラン歌手だろうか?
と思いきや、これが彼女のメジャーデビューシングル。恐れ入りました。

歌詞は、OPがリーナの、EDは深雪の心情を描写。
主題歌でも両ヒロインの場外戦が勃発!?

投稿 : 2024/12/28
♥ : 28

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

街の平和は高校生たちが守る!?

原作未読。最終話まで視聴。
第1期、劇場版とも視聴済み。

第1期は乱れがちだった作画が、第2期は完璧でした。
この点だけでも、制作陣の力の入り具合が分かります。
こういう作品って、視聴する私たちも、自然と力が入っちゃいますよね。

リーナ(CV日笠陽子)が可愛かったですね。
可愛さとカッコよさ、強さと弱さ。
そして、時折見せるポンコツっぷり(笑)。
これらを兼ね揃えたリーナを、完璧に演じていらっしゃいました。
さすがです。感服しました。

第1期は見せ場らしい見せ場の無かった柴田美月(CV佐藤聡美)にも活躍の場が与えられたり、ピクシーの発言に大慌てする三井ほのか(CV雨宮天)が超絶可愛かったり、と見せ場はテンコ盛り。
可愛いと言えば、バレンタイン回の七草真由美(CV花澤香菜)先輩も超絶可愛かったですね。
七草先輩が達也に対して一本取ったのは初めてでは(笑)。

少し残念だったのは、交換留学でUSNAに行っていた北山雫(CV巽悠衣子)の見せ場が少なかったことくらいかな。

終盤に次々と新キャラも登場しましたし、第3期を期待して待ちたいと思います。

あと、その前に『魔法科高校の優等生』も楽しみですね。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 34

62.3 4 特殊部隊で任務なアニメランキング4位
スクールガールストライカーズ Animation Channel(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (184)
711人が棚に入れました
新生私立女子高・五稜館学園。
この学園には知られざる裏の顔がある――。

時空の歪みから現れる、謎の妖魔「オブリ」。
この人類の的に対抗できるのは、五次元空間を探知できる能力を持った「ストライカー」と呼ばれる少女達のみ。

五稜館学園は素養を持つ少女達をスカウトし、オブリを討伐する戦闘部隊「フィフス・フォース」を育成する機関でもあった。

新たに結成されたチーム「アルタイル・トルテ」に所属する5人の少女達の、戦いと友情の物語が幕を開ける!!

声優・キャラクター
石原夏織、日高里菜、沢城みゆき、花澤香菜、小倉唯、伊瀬茉莉也、野中藍、村川梨衣、Lynn、内山夕実、冨岡美沙子、田野アサミ、小林ゆう、山本希望、もものはるな、木戸衣吹、釘宮理恵、牧野由依、藤野泰子、浅川悠

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

綺麗な作画と豪華な声優で描く、美少女学園アニメ(バトルあり)

スマホゲーム原作の美少女学園バトルアニメ。全13話。
項目別に点数をつけると自分でも意外なほど高くなって少しびっくりなのですが、素直に面白かったです。毎週楽しみに観ていました。
観始めてまず感じたのは作画の綺麗さ。やはりソーシャルゲーム系は予算が潤沢なのか、通常シーンのキャラ、アクションシーンの動き、学園や寮の外観や内装といった背景画まで、全体的にとてもよく作られていて、最初まだこの作品が面白いかどうかわからなかった時点から、結構熱心に画面を観ていました。
内容的には、バトルアニメとしてのストーリーもそれなりにあって悪くはないですが、作品の大部分は、笑える会話や馬鹿馬鹿しい事件、ノルマのようなシャワーシーンなど、ゆるい雰囲気の日常描写で占めていて、そういった美少女日常系の作品として、かなり出来が良かったと思います。
キャラは非常にたくさん登場しますが、物語の中心となるのは主人公のチーム5人と、その他重要なキャラ数名といったところなので、無理に全部覚える必要はないです。キャラデザはかわいくて、戦闘シーンのコスチュームはやや露出が高め。真面目なリーダー、甘えん坊のロリっ子、頼りになるお姉さん系、お調子者的ムードメーカーなど、いろいろなタイプのキャラがいます。
声は人気声優が揃っていて、かなり豪華。主人公の美山椿芽(みやまつばめ)を演じていたのは石原夏織。声質が好きな声優さんなのでとても良かったです。いちばん印象に残ったのは沙島悠水(さじまゆうみ)役の花澤香菜。明るく陽気で周囲を笑わせるようなキャラをノリノリで演じていて、個人的には普通にヒロインを演じるときよりも、こういった弾けた脇役の演技のほうが好みだったりします。その他にも、小倉唯、日高里菜、沢城みゆき、釘宮理恵など、それぞれ個性を発揮していたと思います。
音楽は、OP、EDともに、作品の雰囲気に合っていて良かったです。
全体的に、美少女キャラのゆるい日常学園ライフを綺麗な作画と豪華な声優で描いていて、そこにいちおうバトル要素もありますよ、くらいの感覚で楽しみました。あまり話題にもなっていなかったようですが、かなり好きな作品でした。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 16
ネタバレ

ezo さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

美少女だらけの学園バトルもの

ソシャゲ原作。

スクストという名前は以前からCM等で耳にしていたのでついにアニメ化まで行ったのかという感じです。

おそらく似たジャンルであろう「アンジュ・ヴィエルジュ」は周りの評価が低くても個人的には好きなアニメだったのでこの作品にも密かに期待してます。

1話目感想
{netabare}
内容に関してはまだ何とも言えませんが
とりあえず作画は好みですし声優も良い感じだったので割と楽しめました。

一応説明等もありましたがゲームを知っている前提のような会話が多かった印象。

これからのストーリー次第では結構楽しめる作品になるかもしれませんが
OPの雰囲気からはあまりシリアスになりそうな気配はあまり感じられず。

良い友情もの、成長物語として面白くなっていくことに期待。
{/netabare}

2話目感想
{netabare}
特訓回なので仕方がないですが話はほとんど進まず。

相変わらずアクションシーンの作画は良いですが退屈に感じる回でした。

ゲームをやってると印象は変わってくるのかな。
{/netabare}

3話目感想
{netabare}
過去回。椿芽は過去に何かあったのかな。記憶がないのは何故?
少し続きが気になる感じではあるけど今のところ面白くはないかな。
{/netabare}

4話目感想
{netabare}
微妙な味を再現って結構難しそうな気もするけど流石悠水。

ストーリーはともかく

「ちゃんと微妙だったよ」
「そこはまぁ主観なのでご自由に」
「おい美少女!」
とか会話は結構面白かった。

面白いかどうかは別だけど、バトルものなのに日常多めでのんびりした微妙な感じが割と楽しい。
{/netabare}

5話目感想
{netabare}
悠水というかざーさんが面白かった。

作戦説明からの「バカな~!」はテンポが良くて観ていて楽しかった。

生き生きしたざーさんの演技はやっぱり良いですね。

シリアスになりすぎず、ずっとヘンテコな回をやってたほうが楽しめそうな感じになってきた。
{/netabare}


6話目感想
{netabare}
ハチャメチャな感じの良いギャグ回だった。

これぐらい好き勝手やってるほうが面白いなぁ。

しかしCパートの写真が何やら不穏...。

実は椿芽以外は存在してないとかそんな話だったらすごいけど、元がソシャゲだしそんなことはないのかな。

次回はシリアスなのか、それともまたギャグなのか、少し気になる引きだったから次回はちょっと楽しみ。

一方で作画が徐々に微妙な感じになってきているのは残念。
{/netabare}

7話目感想
{netabare}
特訓回やギャグ回が続いていましたが今回でやっと話が進みました。

ギャグ回も好きでしたが本筋も進めないといけませんしね。

仮面女と3人組。どっちも椿芽が関係していそうです。

ストーリーとは関係ないですが、悠水、サトカのボケにもツッコミにもなる感じが個人的には結構好きです。
{/netabare}

8話~12話
{netabare}
三姉妹と仲良くなったり、探検隊ごっこをしたり遊んでいたのは11話まで、12話は今までと変わってかなりシリアス寄りになっていて面白かったです。

椿芽がモルガナ?モルガナとは一体...。

色々分かったようでわからない部分もあるので何とも言えないけど最終回次第では評価が一気に上がるかもしれません。

まさかギャグ回が伏線だったのは。

最終回に期待。
{/netabare}

13話目感想(最終回&総評)
{netabare}
隊長さんが椿芽を救いハッピーエンド?

ラストが急展開すぎてイマイチな印象になってしまいました。

隊長さんについてもっと色んな説明があったら良かったんだけどほとんど説明なかったし、やはりゲームをやってるファン向けの作品なのかなぁ。

面白くなりそうな要素は凄くあったのですが、結局1クールだけでは上手く出来ず、一応は纏まったもののアニメ組の自分としては微妙に感じてしまいました。

ゲームをやってない人はストーリーというよりは中盤までのコントのようなギャグパートを楽しむ感じの作品なのかも。

パロディや声優さんの力もあり、この手のアニメにしては結構印象に残る作品だったと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 9

ZORRRO さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

流れるように終わりました。

普通に観れました。あんまり真面目に観ませんでしたけど(汗)

キャラが王道の【リーダー】【大人っぽい】【元気】【クール】【ロリ】の5キャラ。
もうちょい主張激しくてもクドくはないと思いますが、
声優さんが良かったのでそれなりにキャラたってました。

絵は綺麗ですし可愛いです。

流れるようにと書いてますが、特にこれといって激しいアクション無く、
まあこうなるわなぁ。といった展開で進んでいくので、
万人受けといったところでしょうか。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 4
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